世界の建築様式・種類と歴史
海外旅行でよく耳にする建築様式がひとめで分かるまとめガイド。主要なローマ建築、ゴシック建築、バロック建築、ルネサンス建築を紹介しています。
海外旅行でよく観られる建築様式
海外の都市を観光していてよく耳にする代表的な建築様式を紹介。 地域や国、そして時代や宗教などを背景にした建築物を観てみましょう。
ギリシア建築
- パルテノン神殿(ギリシャ)
- アテナイのアクロポリス(ギリシャ)
- エレクテイオン神殿(ギリシャ)

紀元前7世紀頃から紀元前4世紀頃までに古代ギリシャにおいて、神殿を中心とする建築物に見られる建築様式。都市国家を意味する「ポリス」を形成する小高い丘「アクロポリス」に、大きな柱が並ぶ列柱建築の神殿は古代ギリシャならではの景観で魅了します。 アテナイのアクロポリスとして世界遺産に登録されているパルテノン神殿はその代表的な建築物です。
ローマ建築
- パンテオン(イタリア)
- コロッセオ〈イタリア)
- ポン・デュ・ガール(フランス)

ギリシャ建築の影響を受けつつも、新たな技術も積極的に導入され、ローマ帝国全土に取り入れられた建築様式です。 古代ローマ時代の紀元前6世紀から4世紀頃まで、都市を形成する様々な建築物が建てられました。 イタリア旅行でローマの街を観光すると、パンテオンやコロッセオなどのほか、至る所でローマ建築を見ることができます。
ロマネスク建築
- ル・トロネ修道院(フランス)
- ピサ大聖堂と斜塔(イタリア)
- ダラム大聖堂(イギリス)

ロマネスクとは「ローマ風の」という意味で、西ヨーロッパで11世紀から12世紀にかけて建設された教会堂や修道院に多く見られる建設様式です。 ピサの斜塔や大聖堂(ピサのドゥオモ広場)など世界遺産に登録されている建築物もありますが、代表的なロマネスク建築の中には定番の観光名所にはなっていない各地の修道院なども数多くあります。
ルネサンス建築
- サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
- ルーヴル宮殿のクール・キャレ(フランス)
- ドゥカーレ宮殿(イタリア)

イタリアのフィレンツェで1420年代から広まり、17世紀初頭までの建築物に見られる建築様式です。 ルネサンスとは「再生」を意味する言葉で、建築においてはローマ建築の再生といった側面があります。 時代によりフィレンツェを中心とする初期ルネサンス、ローマを中心とする盛期ルネサンス、ヴェローナやヴェネチアの後期ルネサンスに分けられています。 イタリアを周遊すると、数多くのルネサンス建築を観光することができます。
ゴシック建築
- ノートルダム大聖堂(フランス)
- ウェストミンスター宮殿(イギリス)
- ケルン大聖堂(ドイツ)

11世紀末頃から12世紀にかけて、ロマネスク建築からの転換が見られたフランス発祥の建築様式。 西ヨーロッパの国々を旅行すると、いくつもの代表的な建築物を訪れることができます。 初期ゴシック建築の最高傑作とされるパリのノートルダム大聖堂、イギリスの国会議事堂として使われ時計台(ビッグベン)も印象的なロンドンのウェストミンスター宮殿、世界最大のゴシック建築とされるケルン大聖堂など世界遺産に登録されている建築物も多くあります。
バロック建築
- サン・ピエトロ大聖堂(バチカン)
- セント・ポール大聖堂(イギリス)
- ヴェルサイユ宮殿(フランス)

16世紀末に(現在の)イタリアから広まったスタイルで、建築だけでなく美術や文化にも多くの影響が見られます。 カトリック教会の総本山であるバチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂、英国王室の式典が行われることもあるロンドンのセント・ポール大聖堂、1682年にフランス王ルイ14世が建てた宮殿とその美しい庭園で知られるヴェルサイユ宮殿などもバロック建築です。 西ヨーロッパでは、18世紀まで多くの宮殿や聖堂、邸館が建てられました。
イスラム建築
- アルハンブラ宮殿(スペイン)
- タージ・マハル(インド)
- ラホール城(パキスタン)

イスラム建築とは、ムスリム建築やムハンマダン建築とも呼ばれ、イスラム世界で見られる建築様式のこと。 現在もイスラム教が信仰されている国々やかつて影響下にあった地域で、モスクを特徴とする建築物を見ることができます。 中東地域では多くのイスラム建築が見られますが、ヨーロッパではスペインのグラナダにあるアルハンブラ宮殿、南アジアではインドのタージ・マハルやパキスタンのラホール城なども代表的な建築物です。 また東南アジアのマレーシアやインドネシアでも歴史的なモスクのほか、近大イスラム建築の建物も見られます。
オスマン建築
- スタリ・モスト(ボスニア・ヘルツェゴビナ)
- チュラーン宮殿(トルコ)
- ツィスタラキス・モスク(ギリシャ)

東ローマ帝国を滅ぼし地中海沿岸の東部から南部にかけて栄えたオスマン帝国の影響下で、14世紀から19世紀に見られた建築様式です。 イスラーム建築のうちポスト古典期の建築様式とされています。 現在のイタリアやフランス、スペインを含まない地中海沿岸に、今でも数多くの建築物が残ります。 トルコのイスタンブール(かつてのコンスタンティノープル)やブルサ、エディルネといった都市では、オスマン建築の建物を数多く見ることができます。 宮殿から住宅建築、商業施設、現在の博物館など様々な場所でその特徴が見られます。
ビザンティン(ビザンツ)建築
- イスタンブルの歴史地区(トルコ)
- サン・マルコ寺院(イタリア)
- メテオラ(ギリシャ)

4世紀から15世紀に至るまで東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の影響下で広まった建築スタイルが、ビザンティンまたはビザンツ建築と呼ばれています。 地中海沿岸のトルコ、ギリシャ、エジプト、イタリアなどの国々では、多くのビザンティン建築が観られます。 世界遺産のイスタンブルの歴史地区ではビザンツ建築の最高傑作と呼ばれるアヤソフィアのほか多くの建築物が残されています。 またヴェネチアのサン・マルコ寺院などイタリアの観光名所でも、モスクのようなその特徴的なスタイルを目にすることができます。
アール・デコ
- エンパイアステートビル(アメリカ)
- クライスラービ(アメリカ)
モダニズム建築
- シュレーダー邸(オランダ)
- 国連本部ビル(アメリカ)
ポストモダン建築
- ポートランド市庁舎(アメリカ)
- チェンストホヴァ駅(ポーランド)